野球部のできごと 

「野球部顧問 I先生からの指示」
1999年12月のできごと

夕方家に帰ってくると、リビングに練習着のままひっくり返って顔に帽子をかぶせている。「どうしたの?」と私が声をかける。
「おれ、やだよ。1年みんなに聞かなくっちゃいけないんだ。」
詳しく話を聞いてみると、
野球部のI先生に次のような指示を受けたことがわかる。
「1年の部員や親の中に野球部のへんなうわさをしているやつがいる。おれが体罰をしているとか??。そういううわさを流しているやつだ。おまえか?だれがそんなうわさを流しているのか、1年全員に聞いてこい。」
陵平は、「おまえか?」の問いに「ちがいます。」と答え、その指示を聞いて帰って来ている。陵平は、その指示通りに行動しなければならないと考えている様子であった。しかしながら、気が向かない、気が重いために、体をなげ出し、ため息をついているといった風だった。

私が陵平に伝えたこと
1. その指示は、教師としてまちがっている。人間としてまちがっている。指示に従わなければならない関係はくずせないのなら、口先だけで従うだけでよい。そんなことは何があってもやってはいけないことだ。今後、「まだ、わかりません。」と答えて、とぼけ続けることですむ。
2. 実際に野球部内で体罰があるなら、そのことを考え、改善しなければならないのはI先生自身だ。自分のまちがいを他人が口にしたからといって、腹を立てるなんて、おかしい。

上記の記述は、母親が2000年10月28日(土)早朝にメモしたものです。
前日たまたま机の引き出しから出てきた1回目に書いた「野球部退部届け」(野球部には1999年4月より同年12月中旬まで在籍)を読み直していたら、去年の12月のある出来事が思い出されてきました。
今回の「お菓子事件」に関する指導のありようと、そこから生徒たちが受け取るメッセージやプレッシャーが、去年陵平が不本意にも野球部を辞めざるを得なかったあの事件(先生からの指示)の時とよく似ているなあと感じました。
そこで10ヶ月も前のことですが、必死になって記憶をたどってメモしてみました。
いったい何が似ているのだろうと考えてみますと、それは「指導」の名の下に公然と行使された人権侵害にあたる行為ではないか、と今思えてくるのです。

 


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